絵を描く場

制作の際に用いてきた筆や机などで画家のアトリエを再現

今回展示の油彩画のほとんどは、近年、東京都港区の自宅マンションのテラスにて描かれたものです。そのスペースはおおよそ画家のアトリエとは呼べない手狭な空間ですが、作者が責任ある企業経営者の役目から解放され、四季の自然の風を感じながら自由に想像力を広げてきた思い入れの深い場所です。ここに油絵道具と共にそのアトリエを再現しました。

作者の絵画はほとんどが日常生活の中で描かれています。古美術品や骨董、コレクションの書画、家具やインテリアをモチーフとし、完成した絵画は壁に飾られ、習作を繰り返すことによりデフォルメされていくことで独自の雰囲気を醸し出しています。会場に展示される作品は、まさにこのような生活と密着した場から生まれました。それゆえにどこにも属さない自由さを持つ即興の絵画と呼べるでしょう。作者のコメントと共に観ていくと、その言葉と共に作品の奥行きが増していきます。

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作画中の作者 2020年

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テラスアトリエの風景 2020年